住宅会社ならハウスメーカーがいいのか?選び方のコツと魅力は?

一級建築士の長谷川です。

ここでは、ハウスメーカーの特徴と、注文住宅を依頼するときに注意すべきポイントについて解説していきたいと思います。

まず、ハウスメーカーとは、日本国内全域または広範囲の規模で展開する住宅建設会社に対する呼称であって、正式な定義はありませが、自社の工場で部材の生産から設計、施工にいたるまで、工場生産化率を高めてシステム化されている会社のことを言います。

「家づくり=ハウスメーカー」と思っている人が多いかもしれません。CMや雑誌などでもハウスメーカーを目にする機会が多く、まちの中でも工事中のハウスメーカーの建物をよく見かけると思います。

しかし、ハウスメーカーは仕様が規格化されているため、フルオーダーメイドの注文住宅向きでない場合もあります。また、自社で設計から施工まですべての作業を行うことはまずありません。

 

 

ハウスメーカーの魅力と考えられるデメリット

 

ハウスメーカーの魅力と言えば、まずは知名度の高さからくる安心感と完成までの工期の短さだと思います。

大手のハウスメーカーだと、全国に支店があり会社規模が大きい分、資産も多く売り上げも大きいため、依頼した後に倒産してしまうという心配は少ないと言えます。

また、ある程度プランや仕様が決まっているため、依頼してから完成するまでの工期が短いという点もメリットといえると思います。

しかし、注文住宅を依頼する場合にはプランや仕様がある程度決まっていることがデメリットにもなります。1から希望通りに作り上げるということが難しいのがハウスメーカーの特徴です。

また、ハウスメーカーごとに得意とする工法や構造が決まっており、木造をメインにしているハウスメーカーや鉄骨をメインにしているハウスメーカーがあります。木造であれば、木造軸組工法や2×4(ツーバイフォー)工法、木質系ユニット工法などがあり、木造軸組工法のハウスメーカーで違う工法で作りたいという希望は通りません。しかも、宣伝広告費を多く使っている大手ハウスメーカーの場合、その費用や住宅の設計や工事に関わらない人員の人件費や展示場の維持費などが建築費に上乗せされるため、坪単価が高くなってしまいます。

さらに、工事は工務店に任せる形を採っているため、契約している工務店の技術力がなかったりすることで、設計とおりの家に仕上がらない可能性もあります。

ハウスメーカーがしっかり工事を監督し、監理責任を果たしている場合には問題は起こりませんが、任せきりにしている場合には手抜き工事などのトラブルが起こることになります。

 

 

ハウスメーカーで注文住宅を依頼する最大の魅力

 

ハウスメーカーの強みは、住宅棟数の実績です。大手のハウスメーカーであれば年間の施工棟数が2万棟以上という会社もあります。住宅を専門に建てて販売しているため、どんな家を建てる会社かということがわかりやすいという点が魅力です。

また、大手のハウスメーカーは自社工場で多くの部材を制作しています。そのため、工場で品質管理を行いながら生産していることで、品質のばらつきがほとんどありません。また、「自社で10年以上の独自の長期保証制度」や「36524時間体制などのアフターサービス」などのサービスについても保証がしっかりしているところも魅力的だと思います。

家を建てたいのであれば、ハウスメーカーを選ぶメリットは大きいと思います。

 

 

ハウスメーカーで建てた場合の費用が知りたい!

 

ハウスメーカーは中小の工務店と比較すると坪単価が高いと思われていると思います。それは宣伝広告費などが坪単価に反映されているからです。では、ハウスメーカーと工務店とではどのくらい費用が違うのでしょうか?

全国規模の大手ハウスメーカーで70万円/坪~100万円/坪、地域限定のハウスメーカーで50万円/坪~70万円/坪と幅があります。ローコスト住宅を手掛けている工務店などでは坪単価30万円/坪~40万円台/坪という会社もあるため、ハウスメーカーのほうが高く感じられると思います。

しかし、住宅会社によって坪単価に含まれるものや含まれないものなどがあり、坪単価の計算方法も異なるため、坪単価だけで比べると後悔することになる可能性があります。同じ建物でも延べ面積を基準にするか施工床面積を基準にするかによっても異なった数字になります。また、仕様や設備のグレードがよいほど坪単価が高くなり、家の形状に凸凹が増えると工事費や材料費が余分にかかるため坪単価も上がります。

せっかくの注文住宅ですから、単純に坪単価だけで比較すると、大事なところを見落としてしまうかもしれないので、計算法の確認をしたうで、坪単価はあくまでも判断材料の1つとして活用しましょう。

 

 

まとめ

 

ハウスメーカーは、あらかじめある程度プランや仕様が絞られているため、注文住宅でもどんな風に仕上がるのかをイメージしやすい点が魅力です。

また、街中や住宅展示場などで実際の建物を目にする機会も多く、どんな工法を得意としているかもHPなどでハッキリとしているため比較がしやすい点もメリットと言えます。

ハウスメーカーごとに家に対するこだわりや得意とする工法が違うため、まずはそこをしっかりと調べて比較することが重要です。

どんな家がベストかという点が人によって異なるため、自分にとって欠かせないこだわりを洗い出すことから始めることが大事です。

そして、そのこだわりを実現できるのはどんな工法なのか、その工法を得意とするハウスメーカーはどこなのかといった順に絞っていくと、ベストなハウスメーカーが見つかりやすくなります。

そのため、絶対に盛り込みたいこだわりを明らかにしてから、それを実現できるメーカーはどこなのかという絞り方をするのがおすすめです。